令和3年度から適用される個人住民税の改正点

更新日:2021年04月01日

給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替え

   働き方の多様化を踏まえ,働き方改革を後押しする等の観点から,特定の収入にのみ適用される給与所得控除及び公的年金等控除の控除額は一律10万円引き下げられ,どのような所得にでも適用される基礎控除の控除額が10万円引き上げられます。

 
   

                                                                                                               (財務省HPより)

※給与所得と年金所得の双方を有する方については,片方に係る控除のみが減額されます。

 

基礎控除の見直し

  1. 基礎控除額が10万円引き上げられます。
  2. 合計所得金額が2,400万円を超える納税義務者については、その合計所得金額に応じて控除額が逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える納税義務者については基礎控除の適用はできなくなります。

合計所得金額

基礎控除額

改正後

改正前

2,400万円以下

43万円

33万円(所得制限なし)

2,400万円超2,450万円以下

29万円

2,450万円超2,500万円以下

15万円

2,500万円超

適用なし

 

給与所得控除の見直し

  1. 給与所得控除額が一律10万円引き下げられます。
  2. 給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額が850万円とされるとともに、その上限額が195万円に引き下げられます。

  なお、給与収入が850万円を超えても、介護・子育て世代は負担増が生じないよう、措置が講じられます。(所得金額調整控除の欄を参照)

 

 

給与所得控除額の計算表

給与等の収入金額

改正後

改正前

162万5,000円以下

55万円

65万円

162万5,000円超180万円以下

収入金額×40%-10万円

収入金額×40%

180万円超360万円以下

収入金額×30%+8万円

収入金額×30%+18万円

360万円超660万円以下

収入金額×20%+44万円

収入金額×20%+54万円

660万円超850万円以下

収入金額×10%+110万円

収入金額×10%+120万円

850万円超1,000万円以下

195万円

収入金額×10%+120万円

1,000万円超

195万円

220万円

 

公的年金等控除の見直し

  1. 公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます。
  2. 公的年金等の収入が1,000万円を超える場合、公的年金等控除額の上限額は195万5,000円となります。
  3. 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円を超え、2,000万円以下の場合一律10万円が、2,000万円を超える場合には一律20万円を、それぞれ上記1及び2の見直し後の公的年金等控除額から引き下げられます。

公的年金等控除額【65歳以上】

公的年金等の収入金額(A)

改正前

改正後

区分なし

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額

1,000万円以下

1,000万円超2,000万円以下

2,000万円超

330万円以下

120万円

110万円

100万円

90万円

330万円超410万円以下

(A)×25%+37万5千円

(A)×25%+27万5千円

(A)×25%+17万5千円

(A)×25%+7万5千円

410万円超770万円以下

(A)×15%+78万5千円

(A)×15%+68万5千円

(A)×15%+58万5千円

(A)×15%+48万5千円

770万円超1,000万円以下

(A)×5%+155万5千円

 

(A)×5%+145万5千円

 

(A)×5%+135万5千円

(A)×5%+125万5千円

1,000万円超

(A)×5%+155万5千円

195万5千円

185万5千円

175万5千円

 

 

 

公的年金等控除額【65歳未満】

公的年金等の収入金額(A)

改正前

改正後

区分なし

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額

1,000万円以下

1,000万円超2,000万円以下

2,000万円超

130万円以下

70万円

60万円

50万円

40万円

130万円超410万円以下

(A)×25%+37万5千円

(A)×25%+27万5千円

(A)×25%+17万5千円

(A)×25%+7万5千円

410万円超770万円以下

(A)×15%+78万5千円

(A)×15%+68万5千円

(A)×15%+58万5千円

(A)×15%+48万5千円

770万円超1,000万円以下

(A)×5%+155万5千円

 

(A)×5%+145万5千円

 

(A)×5%+135万5千円

(A)×5%+125万5千円

1,000万円超

(A)×5%+155万5千円

195万5千円

185万5千円

175万5千円

 

所得金額調整控除の創設

次の要件に該当する場合は、所得金額調整控除の適用対象となります。

介護・子育て世帯の場合

   給与等の収入金額が850万円を超え、次のいずれかに該当する場合には、以下の計算式で求めた金額を給与所得金額から控除します。

  • 本人が特別障害者に該当する
  • 23歳未満の扶養親族を有する
  • 特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する

控除額の計算式

控除額=(給与等の収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円)-850万円)×10%

 

給与所得と公的年金等に係る雑所得の両方がある場合

   給与所得と公的年金等に係る雑所得の両方の所得があり、その合計額が10万円を超える場合は、以下の計算式で求めた金額を給与所得金額から控除します。

控除額の計算式

控除額=(給与所得控除後の給与等の金額(10万円を超える場合は10万円)+公的年金等に係る雑所得の金額(10万円を超える場合は10万円)-10万円

 

調整控除の見直し

合計所得金額が2,500万円を超える場合、調整控除が適用されないこととなります。

個人住民税非課税基準及び所得控除等の適用に係る合計所得金額の要件の見直し

   給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替により、非課税基準及び所得控除等の適用に係る合計所得金額要件などが見直されます。

非課税基準

要件等

改正後

改正前

未成年、障害者、寡婦及びひとり親

135万円以下

125万円以下

均等割の非課税基準における前年の合計所得金額

同一生計配偶者及び扶養親族がいない人

38万円

28万円

同一生計配偶者または扶養親族がいる人

28万円×(同一生計配偶者・扶養親族の人数+1)+10万円+16万8千円

28万円×(同一生計配偶者・扶養親族の人数+1)+16万8千円

所得割の非課税基準における前年の合計所得金額

同一生計配偶者及び扶養親族がいない人

45万円

35万円

同一生計配偶者または扶養親族がいる人

35万円×(同一生計配偶者・扶養親族の人数+1)+10万円+32万円

35万円×(同一生計配偶者・扶養親族の人数+1)+32万円

※現行の寡婦、寡夫及び単身児童扶養者に対する個人住民税の人的非課税措置が見直され、合計所得金額が135万円以下のひとり親及び寡婦が個人住民税の非課税措置の対象となります。

 

所得控除等

要件

改正後

改正前

同一生計配偶者及び扶養親族の前年の合計所得金額要件

48万円以下

38万円以下

配偶者特別控除の対象となる配偶者の前年の合計所得金額要件

48万円超133万円以下

38万円超123万円以下

勤労学生控除の前年の合計所得金額要件

75万円以下

65万円以下

雑損控除に係る親族の前年の総所得金額等要件

48万円以下

38万円以下

家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保障額

55万円

65万円

 

ひとり親控除の創設及び寡婦(夫)控除の見直し

   「婚姻歴の有無による不公平」と「男性のひとり親と女性のひとり親の間の不公平」を解消するため、以下のとおり改正されます。

  1. 婚姻歴の有無や性別にかかわらず、生計を一にする子(前年の総所得金額等が48万円以下)を有する単身者について、「ひとり親控除」(控除額30万円)を適用します。
  2. 上記以外の寡婦については、これまでと同様の控除額(26万円)を適用し、子以外の扶養親族がいる寡婦についても所得制限(合計所得金額500万円以下)を設けます。

※合計所得金額が500万円以下で、扶養親族がいない死別寡婦、子以外の扶養親族がいる死別・離別寡婦については現状のまま(控除額26万円)となります。

※ひとり親控除、寡婦控除のどちらも、事実婚状態にある人(住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある場合)は対象外となります。

 

この記事に関するお問い合わせ先

税務会計課 課税係

〒355-0192
埼玉県比企郡吉見町大字下細谷411

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ファックス:0493-54-4970