下細谷ささら獅子舞

更新日:2021年04月01日

太鼓を叩きながら踊る3人の獅子舞の写真

−町指定無形民俗文化財−
 通称「ささら獅子舞」と称する三頭の獅子による獅子舞で、このささら獅子舞は静岡県から東北地方にかけて広く分布している。県内では約200箇所で伝承されていることが確認されている。かつて吉見町内には下細谷・松崎・一ツ木に獅子舞があったが、後継者の問題などから、現在ではこの下細谷地区に伝わる獅子舞だけが残っている。
 下細谷ささら獅子舞は、今から400年前ほど前の江戸時代前期に東北地方から伝わったと言われている。吉見地域で飢饉があり、同様な飢饉に見舞われていた東北地方を視察に行った際に、疫病退散・豊作祈願の獅子舞があることを知り、習い伝えたのが始まりと言われている。かつては旧暦の7月26・27日(現在の9月26・27日)に行っていたが、現在では例年10月中旬の日曜日に行われている。
 獅子舞は獅子3頭(男獅子2頭・女獅子1頭)、花笠をかぶるザキッコ4人(小学生)、笛吹き10数人、山伏役1人(ホラ貝を吹きながら一人で行列の先頭に立つ。ホラ貝を吹くのは祭りの場を清める意味を持つ。)、棒使い16人で構成され、全員で40人ほどになる。
 古代、田植え行事には屋根に菖蒲を葺き、早乙女たちは身を清め忌みごもりして田に入り、神を祭る心で厳粛に田植えを行ったと言われている。平安時代になると、早乙女たちが苗を植える間、男たちは笛や鉦・太鼓を叩きササラを摺って田の神を祭る行事が営まれるようになった。これが田楽の起こりで、その後、田楽は神社の祭礼にも取り入れられるようになった。下細谷のササラ獅子舞もこの田楽の流れを汲むものである。

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